般若寺の草創については諸説あるが、飛鳥時代に高句麗の僧・慧灌が堂宇を営んだと伝わる。天平7年(735年)には聖武天皇が伽藍を整備し、寺観が整えられたとされる。平安時代末の治承4年(1180年)、平重衡による南都焼討の兵火で堂塔の大半が焼失する壊滅的な打撃を受けた。鎌倉時代には律宗の高僧・叡尊や忍性らが復興に尽力し、文永11年(1274年)には十三重石宝塔が建立されて般若経を納める経塔として信仰を集めた。現存する楼門は鎌倉時代後期の建立とされ、国宝に指定されている。南北朝期以降も戦乱の影響を受けながらも法灯は守られ、近世には京街道沿いの古刹として旅人の信仰を集め続けた。明治以降は奈良公園周辺の寺…