正伝寺は文永年間(1264〜1275年)、東巌慧安(とうがんえあん)が師の兀庵普寧(ごったんふねい)を開山に迎えて創建した臨済宗南禅寺派の寺院である。創建当初は現在地とは異なる場所にあったとされ、その後幾度かの移転を経て、西賀茂の現在地に落ち着いたと伝わる。中世には戦乱や火災による衰退を経験したとされるが、詳細な記録は多くが失われている。近世に入ると、方丈には伏見城落城(1600年)の際に徳川方の鳥居元忠らが自刃した廊下の板材が移築され、血天井として今日に伝えられている。枯山水庭園は近世の作庭家・小堀遠州の作とされ、比叡山を借景に取り込んだサツキの刈り込みと白砂による簡潔な構成が高く評価される…