下京区中堂寺西寺町に位置する勝光寺は、「銀杏寺(ぎんなんじ)」の別名で親しまれる日蓮宗の古刹である。山号は鶴翁山。応永34年(1427年)に身延山第17世・慈雲院日新によって「妙慶寺」として創建され、天文5年(1536年)の天文法難(天文法華の乱)で焼失。一時は静岡の感応寺に移ったが、寛永8年(1631年)に旧地に戻り「勝光寺」と改称して再興した。寺の最大の宝は、毎年5月中旬に一度だけ開帳される木造聖観音菩薩立像(京都市指定有形文化財)。平安前期・貞観4年(862年)に、藤原良縄が文徳天皇の菩提を弔うために創建した天台寺院・真如寺の旧本尊で、明治9年(1876年)に真如寺廃寺後に当寺に遷された。像高112.6cmの一木造りで、9世紀彫刻の端正な美しさを今に伝える。
応永34年(1427年)、身延山第17世慈雲院日新が「妙慶寺」として現在地に創建した。天文5年(1536年)、比叡山延暦寺の衆徒と題目衆(法華宗)が激突した「天文法難(天文法華の乱)」で京中の法華宗21ヶ寺がことごとく焼かれ、妙慶寺も全焼。寺は静岡の感応寺(神通寺)へと移転し、以後90年以上にわたって旧地を離れた。寛永8年(1631年)、即是院日完が旧地に戻り「勝光寺」と改称して中興した。天明8年(1788年)の天明の大火でも被災したが再建を果たした。所蔵の木造聖観音菩薩立像は、貞観4年(862年)に藤原良縄が文徳天皇菩提のために創建した真如寺の旧本尊。明治9年(1876年)、真如寺廃寺の際に…