称名寺は大阪市天王寺区下寺町に位置する浄土宗の寺院で、下寺町一帯は江戸時代初期に大坂城の防衛を目的として豊臣・徳川両政権によって寺院が集住させられた「寺町」の一画を形成している。浄土宗は平安末期から鎌倉時代初期に法然上人(1133〜1212年)が開いた宗派で、「南無阿弥陀仏」の称名念仏ひとつで極楽浄土に往生できると説き、貴賤を問わず広く民衆に受け入れられた。下寺町の各寺院は大坂の陣(1614〜1615年)後の都市整備の中で現在地に落ち着いたものが多く、称名寺もその歴史的経緯の中で地域の菩提寺としての役割を担い続けてきた。毎年の彼岸や盂蘭盆に近隣住民が先祖供養に訪れる信仰の場として、今日に至るま…