茨城県常陸太田市天下野町の竪破山(たつわれさん、標高658m)山頂に鎮座する古社。「たけうじんじゃ」と読む。主祭神は立速日男命(たちはやひおのみこと)。創建年代は不詳だが、奈良時代以前から竪破山山頂の磐座(いわくら)信仰の拠点であったと伝わる。立速日男命は『常陸国風土記』にも記される常陸国の天孫系古神で、御岩山頂の賀毗禮神宮と当・武生神社は同じ祭神を祀る山岳神祇の双璧をなす。竪破山(たつわれさん)は山頂部に「太刀割石(たちわりいし)」という巨岩が割れた状態で残り、源義家(八幡太郎)が東征の途次に太刀で切り割ったという伝承から名付けられた。この太刀割石は当社の信仰対象としても重要で、磐座信仰と源氏伝承が結合した独特の信仰形態を残す。中世には佐竹氏の崇敬を受け、戦勝祈願の場として機能した。近世は水戸藩の保護下で地域の山岳霊場として存続し、修験道の修行場でもあった。山頂までは登山が必要で(往復約…
武生神社(たけうじんじゃ)は、茨城県常陸太田市天下野町の竪破山(たつわれさん、標高658m)山頂に鎮座する。創建年代は文献に明記されないが、当地・竪破山の山頂磐座(いわくら)信仰は古代以来の伝承を持つと考えられる。主祭神の立速日男命(たちはやひおのみこと)は『常陸国風土記』(713年)に記される常陸国の天孫系古神で、当社は薩都神社(常陸太田市里野宮町)・御岩神社賀毗禮神宮(日立市御岩山頂)と並び、立速日男命祭祀圏の重要拠点として位置づけられる。竪破山の山名と山頂の「太刀割石(たちわりいし)」には、平安時代後期の武将・源義家(八幡太郎、1039-1106)が前九年の役・後三年の役の遠征途次に当山…