茨城県常陸太田市里野宮町に鎮座する延喜式内社。主祭神は立速日男命(たちはやひおのみこと)。創建年代は不詳だが、奈良時代和銅6年(713年)成立の『常陸国風土記』久慈郡条に「薩都神社」として記載されており、現存する茨城県内の延喜式内社の中でも特に古い由緒を持つ。立速日男命は古代常陸国における重要な神格で、御岩山の山頂奥宮「賀毗禮神宮」にも祀られる。実は当社は御岩神社の裏参道奥宮(薩都神社中宮)の里宮にあたり、御岩山系信仰圏の麓社として機能してきた。御岩山頂のかびれ神宮・薩都神社中宮、そして里の薩都神社という三層構造を成し、立速日男命を共通の祭神として古代から中世・近世にかけて山と里を結ぶ信仰の中核を担ってきた。中世には常陸国佐竹氏の崇敬を受け、近世は水戸藩の保護下で地域の主要神社として存続。明治期には県社に列格された。境内には市指定文化財の古文書や石造物が残る。御岩神社参拝とセットで巡るのに…
薩都神社の創建年代は文献に明記されないが、奈良時代和銅6年(713年)に成立した『常陸国風土記』久慈郡の条に「薩都神社(さつのかみのやしろ)」として記載されており、すでに国家的に認知された古社であったことが分かる。主祭神の立速日男命(たちはやひおのみこと、別名「速経和気命(はやふわけのみこと)」)は古代常陸国の天孫系神格で、『常陸国風土記』には「立速日男命、かびれの高峰に天降りまして、後に薩都の里に遷座せしめ給う」と記される。すなわち古代の信仰では、立速日男命はもと御岩山の山頂(かびれ)に降臨した神で、後に里へ遷座されて当・薩都神社が建立されたという神話的来歴を持つ。これは御岩神社の山頂奥宮「…