楯築遺跡は岡山県倉敷市に位置する弥生時代後期(2世紀後半〜3世紀初頭)に築造された墳丘墓であり、弥生時代最大級の墳丘墓として全国的に知られる重要な遺跡である。円丘に四方から突出部を持つ独特の「双方中円形」の平面形を持ち、その規模は長径72メートル、高さ5メートルに達する。弥生時代の墳丘墓としてはきわめて大規模であり、古墳時代への過渡期における首長墓制の発展を示す重要な遺跡として高く評価されている。特筆すべきは、木棺から出土した特殊器台・特殊壺と呼ばれる大型祭祀土器で、これらは吉備を中心とする地域の特徴的な器形であり、後の前方後円墳の原型となる墓制の成立過程を示す証拠として注目される。また、「弧帯文石」と呼ばれる神秘的な文様が刻まれた立石が遺跡内に残されており、当時の祭祀や宗教的世界観を伝える貴重な資料である。倉敷市郊外の丘陵上に位置し、現在は国の史跡に指定されて保護されている。