火之御子社の創建は平安時代初期の弘仁11年(820年)頃と伝わり、戸隠神社五社のうちの一社として古くから霊場戸隠の信仰圏に組み込まれていた。主祭神は天鈿女命で、天照大神が天岩戸に籠もった際に舞を踊り神々を笑わせて岩戸を開かせた神話に由来し、芸能・舞・縁結びの神として祀られる。中世には戸隠山全体が修験道の霊場として栄え、武田信玄や上杉謙信といった戦国武将からも篤い崇敬を受けたと伝わる。近世には戸隠が奥社を中心とした神仏習合の体制のもとで栄えたが、明治初年の神仏分離令(1868年)により寺院的要素が廃され、戸隠神社として純粋な神社組織に再編された。五社の中では規模は比較的小さいものの、宝光社と中社…