雲林院(うんりんいん)の起源は弘仁年間(810〜824年)に遡る。嵯峨天皇(786〜842年)が離宮として設けた「雲林院」は、淳和天皇・文徳天皇と受け継がれ、貞観年間(859〜877年)に清和天皇が天台宗の寺院として整備したとされる。境内には素戔嗚尊(すさのおのみこと)を祀る社も設けられていたと伝わる。
平安時代中期、雲林院は天台宗の道場として栄え、念仏聖(ねんぶつひじり)や学僧が集まる場となった。『大鏡』(おおかがみ・11世紀後半〜12世紀初頭頃成立)という歴史物語は、雲林院の菩提講(ぼだいこう・故人の供養を行う法会)に参列した190歳の老翁・大宅世継(おおやけのよつぎ)と180歳の夏山繁…