寺伝によれば、福田寺は文永元年(1264)、後嵯峨天皇の皇子で鎌倉幕府6代将軍を務めた宗尊親王により創建され、覚阿堯空上人が開山となった。当初は東山の渋谷街道付近にあり、渋谷道場・滑谷道場とも称された。創建後まもなく、諸国を遊行していた時宗開祖・一遍(1239-1289)の化益を受けて時宗へ改宗したと伝わる。のち豊国神社の造営に伴い現在地へ移転した。本尊の阿弥陀如来像は、三尺の阿弥陀には珍しく覆肩衣を着けず衲衣のみで片方の袖だけが垂れる姿から「片袖の弥陀」と呼ばれる鎌倉期の作。本堂には「乳房地蔵尊」も祀られ、寛文年間には洛陽四十八所地蔵霊場の第44番札所に定められた。