東京都足立区綾瀬に所在する真言宗豊山派の寺院。正式名称は「寳珠山普門院薬師寺」。寛永9年(1632年)、常陸国那珂郡根本村(現・茨城県東海村)出身の根本佐右衛門が開基、賢明法印(賢明法師)を開山として当初「不動院」として創建された。のちに当地にあった薬師堂(薬師如来を安置する仏堂)を付属堂として吸収し、薬師如来を前面に立てて「薬師寺」と改称した経緯を持つ。本尊の薬師如来は眼病に特に霊験があるとされ、水戸光圀(徳川光圀)が江戸参府の途次に眼の痛みを治したとの伝承が残る。境内には、文正2年(1467年)銘の阿弥陀三尊板碑(室町時代の石造供養塔)が保存されており、当地に当寺創建以前から続く仏教信仰があったことを示す貴重な文化財。綾瀬駅から徒歩10分、整った枯山水庭園も備える、下町の中の静謐な真言寺院。