山科神社は寛平9年(897年)、醍醐天皇の勅命によって創建されたと伝わる山科の鎮守社である。祭神は日本武尊(やまとたけるのみこと)と稚武王(わかたけおう)を祀り、日本武尊が東征の折にこの地に縁を結んだという伝説に由来するとされる。創建当初は「西岩屋殿(にしのいわやどの)山科神社」と称されており、宮道氏が代々祭祀を司った。中世には山科一帯を治める在地勢力の崇敬を受け、社域が維持されたと考えられるが、詳細な記録は伝わっていない。近世には山科盆地の地域住民の氏神として信仰が定着し、武運長久・開運の社として広く知られるようになったとされる。明治時代の近代社格制度のもとでは村社に列せられた。現在も地域の…