矢田寺は天武天皇8年(679年)、天武天皇の勅願により智通僧正が開基したと伝わる。創建当初は大伽藍を誇り、七堂伽藍・四十八坊を有する大寺院であったとされる。本尊の地蔵菩薩は「矢田型地蔵」と呼ばれる独特の形式で、右手に錫杖を持たず親指と人差し指で輪を作る姿が特徴であり、日本最古の延命地蔵菩薩として信仰を集めてきた。この矢田型地蔵の様式はその後全国の地蔵像に広く影響を与えたとされる。中世には戦乱や火災により伽藍の多くが失われたと伝わり、往時の規模は縮小した。近世以降、地蔵信仰の聖地として庶民の信仰を集め、参拝者が絶えなかった。近代以降は境内にあじさいが植えられ、現在では約60種1万株が梅雨の季節に…