法隆寺は奈良県生駒郡斑鳩町に位置し、聖徳太子が推古天皇15年(607年)に創建したと伝わる聖徳宗の総本山。境内の西院伽藍は現存する世界最古の木造建築群として1993年にユネスコ世界遺産に登録された。五重塔・金堂は飛鳥時代(7世紀)の建築をそのままとどめ、創建から1,400年以上の歴史を誇る。寺宝は国宝・重要文化財が300件以上にのぼり、百済観音像・夢違観音・玉虫厨子・釈迦三尊像など飛鳥仏教美術の粋が収蔵されている。東院には太子が母・穴穂部間人皇女のために建立したとされる夢殿(国宝)がそびえ、夢殿本尊の救世観音像(国宝・秘仏)は毎年春秋の特別開扉に多くの参拝者が訪れる。世界遺産第1号として日本の文化遺産を代表する存在であり、飛鳥文化の精髄を今に伝える聖地。
推古天皇15年(607年)、聖徳太子と推古天皇が用明天皇の病気平癒を願って薬師如来像を造立し、あわせて寺を建立したのが起源と伝わる(金堂薬師如来像光背銘)。『日本書紀』によれば天智天皇9年(670年)4月30日に落雷で全焼し、和銅年間(708-715年)頃までに現在の西院伽藍が再建された。金堂は天武天皇期(持統7年・693年頃)に完成したと考えられ、現存する世界最古の木造建築群を構成する。平安時代の延長3年(925年)に大講堂が焼失するなど部分的な火災はあったが、全山焼失は免れ、聖徳太子信仰の中心地として信仰を集め続けた。慶長年間(1596-1615)には豊臣秀頼が、江戸初期には徳川綱吉の生母…