宋の天童山(てんどうさん)で、道元は如浄禅師(にょじょうぜんじ)という高僧に師事しました。
ある夜、隣の修行僧が居眠りをしていたとき、如浄が「坐禅は身心脱落なり」と叱りつけました。
この言葉を聞いた道元は、深い悟りを体験しました。後に道元はこれを「身心脱落」と表現しています。
「からだ(身)と心(心)の一切の執着・束縛から解放された状態」。それが道元が体験した境地でした。
この体験から道元が得た答えは「只管打坐(しかんたざ)」——ひたすら座禅をすること、それ自体が悟りである、という思想です。
「何かのために座禅をする」のではなく、「座禅そのものが仏の行為」という考え方です。これが曹洞宗の根本思想となりました。