釈迦如来は歴史上の人物ゴータマ・シッダッタを神格化した尊格だ。**降魔印(こうまいん)**は右手を膝の上に置き、指先が下を向く形で「悪魔を退けた悟りの瞬間」を表す。**禅定印(ぜんじょういん)**は両手を膝の上に重ねて親指を合わせた深い瞑想状態を示す。装身具は一切ない。
法隆寺(奈良・斑鳩町)の金堂に安置される釈迦三尊像(飛鳥時代・623年作)は日本最古級の金銅仏として名高く、止利仏師(とりぶっし)によって制作された。
阿弥陀如来(サンスクリット: Amitābha、無量光)は西方の極楽浄土を主宰する如来だ。**来迎印(らいごういん)**は両手の親指と人差し指(または中指)で輪を作る形で、「極楽浄土に迎えに来た」瞬間を表す。
高徳院(鎌倉大仏)(神奈川・鎌倉市)の大仏は高さ約11.3mの青銅製阿弥陀如来坐像だ。1252年に鋳造が開始されたとされ、禅定印を結んでいる。平等院鳳凰堂(京都・宇治市)の阿弥陀如来坐像は定朝(じょうちょう)作(1053年)で国宝に指定されている。
大日如来——宝冠・装身具あり、智拳印または法界定印
大日如来(サンスクリット: Mahāvairocana)は真言密教・天台密教における宇宙の根本仏だ。他の如来と最も異なる特徴は、宝冠・装身具を着けていること。密教では悟りを開いた後も衆生済度のために王者の姿をとり続けると説く。
智拳印(ちけんいん)(左手の人差し指を立て右手で握り込む)は金剛界大日如来の印相、法界定印(ほっかいじょういん)(両手を腹前で重ねて親指を合わせる)は胎蔵界大日如来の印相だ。
薬師如来(サンスクリット: Bhaiṣajyaguru)は東方浄瑠璃世界の主で、病気平癒・健康長寿を司る。左手に持つ薬壺は他の如来にはない、薬師如来だけの持物だ。右手は施無畏印(手のひらを前に向けて上げる「恐れるな」の印相)を結ぶ。
薬師寺(奈良・西ノ京)の金堂には白鳳時代(680年代)の薬師三尊像が安置されており、「凍れる音楽」と評される白鳳彫刻の最高峰だ。