法隆寺(奈良・斑鳩町)西院伽藍の五重塔は607年の創建(後に再建)とされ、世界最古の木造建築群の一つだ。高さ約32.5m、最下層と最上層の屋根の比が3:2で、建ちあがるにつれ屋根面積が小さくなる独特の安定感が特徴。最下層の塑像群(釈迦入滅・涅槃など)は奈良時代初期の傑作として国宝に指定されている。
東寺(教王護国寺)(京都)の五重塔は高さ54.8mで日本一の高さを誇る。空海(弘法大師)が平安時代に創建した真言密教の根本道場にそびえる塔で、現在の塔は寛永21年(1644年)の再建。心礎に仏舎利が納められており、密教の宇宙観を体現する塔として崇敬を集める。夜間ライトアップの美しさでも知られ、京都の夜景の定番だ。
醍醐寺(京都・伏見区)の五重塔は951年の建立で、京都府内最古の木造建造物だ。高さ38mで、外観は創建当初の姿をほぼ留める。醍醐の花見(豊臣秀吉が催した花見)の舞台となった伽藍は世界遺産(古都京都の文化財)に登録されており、五重塔は桜の季節に特に美しい。
法観寺(八坂の塔)(京都・東山区)の五重塔は高さ46mで、東山の町並みに突出する「京都の夜明け前の顔」として親しまれる。聖徳太子が創建したとも伝わる古刹で、現在の塔は15世紀の再建。祇園・二年坂・産寧坂(三年坂)の石畳から眺める塔の姿は、京都観光の定番の風景だ。
浅草寺(東京・台東区)の五重塔は高さ53.32mで、東京スカイツリーとともに浅草の空のランドマークだ。太平洋戦争で焼失し、昭和48年(1973年)に再建されたコンクリート製の塔だが、外観は木造の伝統様式を踏襲する。