真言宗(しんごんしゅう)・密教(みっきょう)とは、大日如来(だいにちにょらい)を宇宙の根本仏として、その教えは言語で完全に伝えることができず、師から弟子へと身体的・体験的に伝えられるべき秘密の教え(秘密仏教)とする宗派です。
密教の修行の核心は**「三密加持(さんみつかじ)」**——身(手に印相を結ぶ)・口(真言を唱える)・意(心に本尊を観想する)の三つの行為を同時に行うことで、修行者の身口意が大日如来の身口意と一体化する(即身成仏・そくしんじょうぶつ)という実践です。
**曼荼羅(まんだら)**とは、この密教的宇宙観を図像化したもので、大日如来を中心として諸仏・菩薩が配置された絵画や立体構造物です。密教では「胎蔵界(たいぞうかい)曼荼羅」と「金剛界(こんごうかい)曼荼羅」の二種の曼荼羅が一対として使われ、「両界曼荼羅(りょうかいまんだら)」と呼ばれます。
空海(774〜835年)は宝亀五年(774年)に讃岐国(現・香川県)に生まれ、延暦二十三年(804年)に遣唐使として唐へ渡り、長安の青龍寺で恵果(けいか)阿闍梨に師事して密教の全法を受け継ぎました。帰国後、弘仁十四年(823年)に嵯峨天皇から東寺を賜り、真言密教の根本道場としました。