春日大社(奈良県)は約3,000基の石灯籠と1,000基以上の釣灯籠を有する、日本最大の灯籠集積地だ。**万燈籠(まんとうろう)**の行事——節分(2月)と盂蘭盆(8月)の年2回——では全ての灯籠に火が灯され、「光の海」とも呼ばれる幻想的な景観が生まれる。
厳島神社(広島県)の社殿回廊には、多数の釣灯籠が吊り下げられている。夜間に灯が入ると、海上に浮かぶ回廊と反射する海面が相まって、他では見られない幻想的な情景が生まれる。朱塗りの回廊と青銅の灯籠の組み合わせは、厳島神社の建築美の核心の一つだ。
日光東照宮(栃木県)には徳川将軍家や全国の大名が奉納した多数の青銅灯籠が並んでいる。その大きさと精緻な彫刻は江戸時代の技術の粋を示しており、中にはオランダ東インド会社から奉納されたものも含まれる。将軍の権威と各大名の忠誠を示す政治的な記念物としての側面も持つ。
平安神宮(京都)の時代祭や三嶋大社(静岡)の例大祭では、多数の灯籠に火が入り、境内が光に包まれる祭礼の夜が演出される。こうした万燈籠形式の行事は全国の神社・寺院で行われており、参拝の体験を一層深いものにしてくれる。