三河島稲荷神社は、元禄8年(1695年)頃に創建されたと伝わる稲荷社である。祭神は宇迦之御魂命で、五穀豊穣・商売繁盛の神として広く信仰される。江戸時代、現在の荒川区一帯は三河島村をはじめとする農村地帯であり、田畑の守護神として稲荷信仰が盛んに根付いていた。当社はその鎮守社として三河島地区の人々に崇敬され、地域の精神的な拠り所となってきたとされる。明治維新以降、近代化の波とともに周辺地域は市街地へと変容し、農村の面影は薄れたが、社は地域住民によって変わらず守り継がれた。関東大震災(1923年)や第二次世界大戦の戦禍を経ながらも、氏子たちの尽力によって維持されてきたと伝わる。現在も毎年2月の初午祭…