粟田神社の創建は貞観18年(876年)にさかのぼる。従五位上出羽守藤原興世が勅命を奉じ、現在地に素戔嗚尊・大己貴命を祀ったのが始まりとされる。平安京の東の出入口「粟田口」に鎮座することから、都を行き来する旅人の守護神として朝野の信仰を集め、平安時代より「旅立ちの神」として広く崇敬されてきた。中世には粟田口が刀剣鍛冶の一大産地として栄え、「粟田口派」と呼ばれる名工たちがこの地で活躍したとされる。室町時代には当社の祭礼が神輿渡御と剣鉾巡行を中心に整備され、祇園祭の原型の一つとも伝わる。近世・江戸時代には東海道・中山道への出発点として参拝者が絶えず、社勢は維持された。明治維新後は近代社格制度のもとで…