圓成院は大阪市天王寺区下寺町に位置する時宗の寺院である。時宗は鎌倉時代後期の1274年(文永11年)に一遍上人(いっぺんしょうにん、1239〜1289年)が開宗した浄土系の宗派で、念仏の札を配る「賦算(ふさん)」と、鉦(かね)を叩いて踊りながら念仏を称える「踊り念仏」によって日本中を遊行した。一遍の教えは身分や信不信を問わず万人に念仏往生を認めるもので、武士・農民・遊女など様々な階層に広まった。総本山は神奈川県藤沢市の清浄光寺(通称・遊行寺)。圓成院は「圓成」の名が表す「円満に仏道を成就する」という願いのもと、時宗の念仏信仰を大坂の地に伝え続けてきた。下寺町の寺院街の一隅に位置し、地域の人々の…