補陀洛寺は養和元年(1181年)、源頼朝が相模湾を望む材木座の地を選び、真言宗の高僧・文覚上人(文覚)を招いて創建した祈願寺院である。「補陀洛」とは観音菩薩の聖地とされる山(梵語 Potalaka)の音写で、海を望む立地と十一面観音を本尊とすることがその由来とされる。頼朝の治世を通じて幕府の庇護を受け、以後も真言密教の道場として継承された。
寺の最大の寺宝は「平家の赤旗」である。平宗盛が陣中に所持していたとされる竹布製の旗には、平清盛が「九萬八千軍神」と銘記したとの伝承があり、源平合戦を象徴する貴重な遺品として毎年4月中旬から5月31日に公開される。頼朝が創建した寺に宿敵・平家の遺品が伝来し…