藤ノ木古墳は奈良県生駒郡斑鳩町に所在し、世界遺産・法隆寺から徒歩数分の場所に位置する6世紀後半の円墳である。直径48メートル、高さ9メートルの円墳で、1985年と1988年に行われた発掘調査によって、横穴式石室内の家形石棺から豪華絢爛な副葬品が出土し、日本の考古学史上最大の発見のひとつとして話題を呼んだ。出土品には金銅製の冠帽、鞍金具などの馬具一式、金・銀・ガラス製の装身具など数百点にも及び、その豪華さは国際的にも注目された。石棺内には二人の人骨が確認されており、被葬者は用明天皇の兄弟とも皇族に近い人物とも諸説ある。出土した遺物は国宝に指定されており、現在は奈良県立橿原考古学研究所附属博物館と法隆寺大宝蔵院に分けて保管・展示されている。古墳は現地で公開されており、発掘時に使用されたレプリカ石棺の展示も行われている。