法起寺は推古天皇30年(622年)、聖徳太子の遺命を受けた山背大兄王が岡本宮を寺に改めて建立したと伝わる。聖徳太子が最後に『法華経』を講説した地とされ、古来より聖地として崇敬を集めてきた。現存する三重塔は慶雲3年(706年)に完成したと伝えられ、日本最古の三重塔として国宝に指定されている。奈良時代から平安時代にかけては興福寺の末寺となり、中世には度重なる兵火や荒廃により伽藍の多くが失われたとされる。近世には再興の努力が続けられたものの、往時の規模には及ばなかった。江戸時代には三重塔の修繕が行われ、法起寺の象徴として護持されてきた。明治以降は文化財保護の観点から整備が進み、三重塔をはじめとする遺…