願隆寺は、京都市左京区の東山麓から岡崎・仁王門通にかけて広がる「新洞(しんどう)」と呼ばれる地区の仏教会に属する札所寺院である。新洞仏教会は左京区の寺院が連携して組織する巡礼ネットワークで、地域ごとに番号を付した霊場を設け、参拝者が複数の寺院を巡って功徳を積む仕組みを維持してきた。願隆寺はその第42番に数えられる。
新堺町通は仁王門通から南北に走る細い通りで、和国町・正往寺町・福本町など近世に整備された町名が連なる静かな住宅街の中にある。周辺には正往寺・清光寺・正念寺・見性寺など浄土宗・法華宗系の寺院が密集しており、願隆寺もこの寺町文化の一端を担っている。近代を経た今日も壇家の法要と地域の信…