法然上人(1133〜1212年)はかつて獅子谷の草庵で弟子・住蓮(じゅれん)・安楽(あんらく)とともに念仏修行を行っていた。承元元年(1207年)、二人の弟子が後鳥羽上皇の後宮女性(松虫・鈴虫)を密かに出家させたことが問題となり、法然は土佐へ流罪、住蓮と安楽は死罪に処された(承元の法難)。この出来事で草庵は廃れたが、法然ゆかりの聖地として後世に語り継がれた。
江戸時代前期の延宝8年(1680年)、知恩院の僧・萬無元照(ばんむがんしょう)とその弟子・忍澂(にんちょう)が法然の遺跡を顕彰するためにこの地を整備し、「法然院」として再興した。茅葺の山門・白砂壇・書院・本堂が整えられ、現在の景観の原形…