弥勒院は京都・哲学の道の中ほどに佇む浄土宗の寺院である。正確な創建年は不詳であるが、江戸時代(17世紀初頭)以前からこの地に存在したと伝わり、本尊は阿弥陀如来とされる。哲学の道が面する琵琶湖疏水は明治23年(1890年)に開通したものであるが、弥勒院はその開削以前から周辺の地域住民の信仰を集めてきたと考えられる。近代以降、哲学の道は西田幾多郎ら京都学派の哲学者たちが思索の散歩道として親しんだことで知られるようになり、弥勒院もその沿道に佇む存在として広く認知されるに至った。境内に祀られる「幸せ地蔵」と呼ばれる地蔵尊は、道行く人々の幸福を見守る存在として参拝者の信仰を集めており、今日でも哲学の道を…