一乗寺は平安時代の延暦年間(782〜806年)、桓武天皇の平安京遷都(794年)と前後する時期に創建されたと伝わる天台宗の寺院である。かつてはこの地に「一乗寺」と称する天台の大伽藍が営まれており、「一乗」とは法華経の中心思想である「一仏乗」に由来するとされる。中世にかけて天台の法華信仰の拠点として地域の信仰を集めたと伝わるが、15世紀後半の応仁の乱(1467〜1477年)において兵火に巻き込まれ、広大な伽藍の大半が焼失したとされる。以後、往時の規模には復興されず、近世以降は小規模な堂宇として存続した。現在の本堂には阿弥陀如来が安置されており、地元住民の信仰を集め続けている。なお、寺院の名称はそ…