一華院は京都・東福寺の境内に位置する臨済宗東福寺派の塔頭寺院である。東福寺は嘉禎2年(1236年)に九条道家の発願により聖一国師(円爾)を開山として創建された大刹であり、一華院はその塔頭の一つとして成立した。現在伝わる記録によれば、弘治元年(1555年)に東福寺第227世住持・桃隠悟蓬によって中興されたとされる。戦国期の動乱を経て同院が再興されたこの時期は、東福寺全体においても復興の機運が高まった時代にあたる。江戸期以降は臨済宗東福寺派の法灯を守りながら、禅院としての法務・修行の場として継承されてきたと伝わる。近代以降も塔頭としての伽藍が維持され、現代においては重森三玲の孫にあたる重森千靑によ…