蛇塚古墳は京都市右京区太秦(うずまさ)に位置する6世紀末〜7世紀初頭に築造された古墳であり、現在は墳丘が失われて石室のみが住宅地の中に露出した状態で残っている。京都最大の横穴式石室を持つ古墳として知られており、石室全長約17メートル、玄室高さ約4メートルという巨大な規模は訪れる人々を圧倒する。太秦の地は古代の渡来系豪族・秦氏(はたうじ)の本拠地として知られており、蛇塚古墳も秦氏の首長の墓であったと広く考えられている。秦氏は応神天皇の時代に渡来したとされる豪族で、機織り・土木・金属加工など先進的な技術を日本にもたらした集団とされており、太秦地区の広隆寺・松尾大社・伏見稲荷大社などの創建にも深く関わったと伝えられている。古墳の名称「蛇塚」は、石室内に蛇が多く棲んでいたという伝承に由来する。現在も住宅密集地の中に突如として現れる巨大石室は、都市化された京都の日常風景の中に古代が突き刺さっているよ…