寂光院は推古天皇2年(594年)、聖徳太子が父・用明天皇の菩提を弔うために創建したと伝わる天台宗の尼寺である。当初は四箇院の一つとして建立されたとされ、大原の山里に静かにその歴史を刻んできた。中世に入ると、寿永4年(1185年)の壇ノ浦の戦いで平家が滅亡した後、高倉天皇の中宮であった建礼門院徳子がこの地に入寺し、終生尼僧として余生を送った。翌文治元年(1185年)秋には後白河法皇が建礼門院を訪ねる「大原御幸」が行われ、『平家物語』に詳しく記される。建礼門院はその後も当地で没したとされ、陵墓は近隣の大原西陵に治定されている。近世以降は天台宗寺院として法灯を継ぎ、尼寺の伝統を守り続けた。平成12年…