勝林院は長和2年(1013年)、天台宗の僧・寂源法師によって声明の道場として創建された。大原は平安時代より天台声明の修行地として知られており、寂源はここに魚山大原寺(勝林院)を開き、大原魚山流声明の根本道場として確立したとされる。平安末期から鎌倉初期にかけて、大原は浄土念仏を修する隠遁の地としても注目を集めた。文治2年(1186年)には、浄土宗の開祖・法然上人が天台僧・顕真らの招きに応じ、諸宗の僧侶を前に浄土宗義の正統性を論じた「大原問答」が当院で行われた。この問答の際、本尊の阿弥陀如来が光明を放ったとの伝説が生まれ、以来この本尊は「証拠の阿弥陀」と呼ばれている。中世以降も天台声明の道場として…