実光院は、平安時代の1013年(長和2年)に天台僧・寂源によって創建されたと伝わる大原・勝林院を母体とする子院である。勝林院はもともと声明(仏教音楽)の修練道場として機能しており、実光院はその学問・修行を支える塔頭の一つとして鎌倉時代に成立したとされる。中世には大原の念仏・声明文化の中心地として栄えたが、度重なる戦乱や火災により堂宇が失われた時期もあったと伝わる。近世には復興が進み、現在の回遊式庭園「契心園」の原型が整えられていったと考えられる。明治期の神仏分離令や廃仏毀釈の影響を受けながらも法灯を守り続け、近代以降は一般拝観を受け入れる寺院として整備された。現在は秋から春にかけて咲き続ける「…