常照寺は元和2年(1616年)、日蓮宗の高僧・日乾上人によって京都北郊の鷹峯の地に創建された。日乾は当時の日蓮宗を代表する学僧であり、本寺は宗派の学問所としての役割も担ったとされる。創建間もない寛永期(1624〜1645年)、京都随一の傾城と称された吉野太夫が当寺と深く関わり、自ら朱塗りの山門を寄進したと伝わる。この山門は「吉野門」と呼ばれ、現在も境内に現存する。吉野太夫はのちに豪商・二代目灰屋紹益に身請けされ、没後も当寺に縁の深い人物として顕彰されてきた。近世以降、寺は鷹峯の景勝地と結びつきながら信仰と文化の拠点としての歩みを続けた。近代以降も日蓮宗寺院として法灯を守り続け、現在は毎年4月第…