上賀茂社家町は、葵祭で知られる上賀茂神社(賀茂別雷神社)の神職(社家)たちが代々居住してきた門前町である。上賀茂神社の創建は古く、社伝によれば飛鳥時代に遡るとされ、神社の確立とともに神職の居住地も形成されていったと考えられる。平安時代には神社が王城鎮護の社として朝廷から篤い崇敬を受け、社家の家格も整備されていった。中世以降、神職の家々は明神川沿いに屋敷を構え、川の水を庭園に引き込む独自の社家建築様式が発展したとされる。近世(江戸時代)には社家の制度が安定し、西村家をはじめとする社家住宅が現在に近い形に整えられたと伝わる。明治以降の近代化の波の中でも、この町並みは比較的原形を保ち続けた。1988…