天禄2年(971年)、藤原文範が真覚上人を開山に迎えて創建したと伝わる天台宗系の寺院である。園城寺(三井寺)の有力な別院として位置づけられ、岩倉の地における精神疾患の治癒祈願の霊場として古くから信仰を集めた。この霊験にあやかり、近世以降に岩倉一帯で精神病者の民間療養が行われるようになったとされ、後の「岩倉の病院」の起源ともみなされている。中世には伽藍が整備され隆盛を誇ったが、元亀2年(1571年)の織田信長による比叡山焼き討ちに際して類焼し、堂宇を失ったとされる。その後、寛永18年(1641年)に後水尾天皇の後援を得て再建が果たされ、本尊の十一面観音を中心とする境内が整えられた。近代以降は寺域…