観音寺は、元和・寛永年間(1615〜1644年)頃、江戸時代初期に創建されたと伝わる真言宗豊山派の寺院である。本尊は聖観世音菩薩で、目白台の高台に堂宇を構え、早くから観音信仰の霊場として近隣の人々に親しまれてきた。江戸時代を通じて、庶民の間では「目白めぐり」と称される観音・不動・稲荷を巡拝する信仰の習慣が広まり、当寺はその巡拝路の一拠点として重要な役割を担ったとされる。境内からは神田川の谷を見下ろす眺望が開け、武蔵野台地の縁辺に立地する景勝の地として知られた。明治維新以降は近代化の波を受けながらも法灯を守り続け、隣接する椿山荘が明治期に整備された後も、当寺は目白台の歴史的景観の一部として現代に…