桂春院は慶長3年(1598年)、織田信長の嫡男・信忠の次男である織田秀則が創建した妙心寺の塔頭寺院である。創建当初の寺名は不明だが、寛永9年(1632年)に「桂春院」と改称されたとされる。織田家とのゆかりにより、戦国時代末期から江戸時代初期の武家文化を背景に整備された寺院である。境内には「清浄の庭」「思惟の庭」「真如の庭」「侘の庭」の四庭が設けられており、禅の教えの各段階を表現したものと伝わる。方丈には狩野山楽・山雪父子による障壁画が現存し、桃山〜江戸初期の絵画史上重要な作品として評価される。江戸時代を通じて妙心寺の一塔頭として法脈を守り続け、近代以降は紅葉期の公開で広く知られるようになった。…