東林院は享禄4年(1531年)、戦国大名・山名豊国が父の菩提を弔うために妙心寺の塔頭として創建した。妙心寺は康永4年(1345年)に花園法皇の離宮を禅寺に改め、関山慧玄(無相大師)を開山として創建された臨済宗の大本山であり、東林院はその北部に位置する塔頭のひとつである。創建以来、禅の修行道場としての性格を保ちつつ、方丈前庭に植えられた沙羅(夏椿)の木が「沙羅双樹の寺」として知られるようになった。沙羅の花が一日で散る様子は『平家物語』冒頭の無常観と重ね合わされ、禅の精神を体現する景として広く知られる。近世以降も妙心寺山内の一院として法灯を継ぎ、精進料理の提供など禅文化の実践の場としての役割を担っ…