二尊院は承和年間(834〜847年)、嵯峨天皇の勅願により慈覚大師円仁が創建した天台宗の寺院とされる。寺名は本尊に釈迦如来(発遣の如来)と阿弥陀如来(来迎の如来)の二尊を祀ることに由来する。創建後しばらくは法灯が保たれたが、平安末期から鎌倉初期にかけて衰退したと伝わる。鎌倉時代には法然上人の高弟・湛空上人が再興し、天台・真言・律・浄土の四宗兼学の道場として整備された。応仁の乱(1467〜1477年)の兵火により伽藍の多くが焼失したが、戦国時代に三条西実隆らの援助を得て再建されたとされる。近世には嵯峨の文化的拠点として栄え、境内には歌人・藤原定家の時雨亭跡と伝わる場所が残るほか、江戸時代初期に活…