小倉山二尊院鎮守社は、嵯峨野・小倉山の山腹に位置する二尊院の鎮守社である。二尊院そのものは9世紀前半、嵯峨天皇の勅願により円仁(慈覚大師)が開創したと伝わり、本鎮守社もその創建に関連して設けられたとされるが、正確な創建年代は明らかでない。小倉山は平安時代より歌枕として知られ、13世紀初頭に藤原定家がこの地の山荘(時雨亭)において百人一首を選定したと伝えられる。以来、小倉山は和歌の聖地として詩歌文化と深く結びつき、鎮守社もまた定家をはじめとする歌人の霊を祀る場として崇敬を集めてきたとされる。中世には兵火により二尊院境内が荒廃した時期もあったが、近世に入り角倉了以らの援助を得て復興が進んだと伝わる…