岡崎別院は、1212年(建暦2年)、法然上人のもとで修行を積んだ親鸞聖人が比叡山を下りた後、京都岡崎の地に草庵を結んだことを起源とすると伝わる。親鸞はここを拠点として念仏の教えを説き、浄土真宗の礎を築いたとされる。その後、親鸞が関東へ赴いた後も、ゆかりの地として信仰を集め続けた。近世には浄土真宗本願寺派の末寺として整備が進み、「岡崎御坊」の名で門信徒に親しまれるようになった。境内に残る植髪堂は、親鸞が得度の際に剃った髪を納めたと伝わる堂宇であり、往時の草庵の記憶を今に伝える。明治以降は近代的な伽藍の整備が行われつつも、聖人ゆかりの遺構や石碑が保存され、浄土真宗の重要な旧跡として現在に至る。