御辰稲荷神社の創建は江戸時代とされ、江戸前期(17世紀中頃)に平安京の東南方向(辰巳=辰の方向)を守護する稲荷神社として鎮座した。「辰巳(たつみ)」は十二支の「辰(たつ)」と「巳(み・ヘビ)」の間の南東を指し、京都の地勢において東南方向は祇園・東山に通じる重要な方位で、邪気を防ぐ守護神としての稲荷信仰が根付いた。
祭神の宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)は、全国の稲荷神社に共通する稲・農業・食の神。伏見稲荷大社を頂点とする稲荷信仰ネットワークの一社として、商売繁盛・五穀豊穣のご利益で江戸時代の京都商人・職人・芸能者に親しまれた。
「芸能の神」として信仰される背景には、かつて聖護院・岡崎エリ…