霊雲院(東福寺霊雲院)は明徳元年(1390年)に岐陽方秀を開祖として創建された東福寺の塔頭寺院である。東福寺は嘉禎2年(1236年)に九条道家が創建した臨済宗の大本山であり、霊雲院はその広大な塔頭群の一つとして中世から存続してきた。20世紀に入り、庭園文化史において重要な作庭家・重森三玲(1896〜1975年)が当院の庭園を手がけ、近現代の枯山水庭園の傑作として高い評価を得た。重森は「九山八海の庭」と「臥雲の庭」の二庭を造り、前者は仏教の宇宙観を表現し、後者は渦巻く雲海を砂紋で象徴的に描いた斬新なデザインで知られる。この二庭により、霊雲院は東福寺塔頭のなかでも特に近現代の日本庭園史を語るうえで…