西福寺は大同5年(810年)、弘法大師空海が自ら刻んだ土仏の地蔵尊を祀ったことに始まると伝わる。正式名称を桂光山敬信院といい、浄土宗に属する。寺が位置する六道の辻は、古来より冥界への入口とされた霊地であり、平安時代には鳥辺野への葬送路にあたるこの一帯に、六波羅蜜寺や六道珍皇寺とともに冥界観に基づく信仰が根付いた。中世には、嵯峨天皇の后として知られる檀林皇后の九相図が寺宝として伝来したとされ、無常を観じる仏教的教化の拠点として機能したと考えられる。近世以降は浄土宗寺院として地域の信仰を集め、本尊の子育地蔵菩薩は子どもの健やかな成長を願う民間信仰の対象として広く親しまれてきた。現在も境内には六道の…