矢田寺(寺町)は、大和国(奈良県)の矢田山金剛山寺(大本山矢田寺)を本坊とする真言宗の別院である。京都の別院は1003年(長保5年)に創建されたと伝わる。平安時代末から鎌倉時代にかけて、地蔵信仰が広まるなかで本尊・地蔵菩薩への篤い信仰が根付いたとされる。近世には豊臣秀吉による京都の都市改造(天正から慶長期)で寺町が整備された際、現在の寺町三条の地に移転・定着したと伝わる。江戸時代には「送り鐘」の風習が確立し、毎年8月16日の夜に五山送り火に合わせて鐘を撞き、精霊を浄土へ送る行事として広く知られるようになった。明治以降の近代化を経ても法灯は絶えることなく守られ、現在も「矢田のお地蔵さん」として地…