西光寺は弘安年間(1278〜1288年)に創建されたと伝わる浄土宗西山深草派の古刹で、山号を北亀山と称する。鎌倉時代後期、乙訓地域の久貝に建立されたとされるが、創建の詳細は明らかでない。本尊の「寅薬師(とらやくし)」は弘法大師空海が彫刻したと伝わる秘仏で、後宇多天皇(在位1274〜1321年)がこの地に下賜したと伝えられる。寅の年・寅の日・寅の刻に縁深い薬師如来として古くから信仰を集め、浄土宗の念仏道場としての性格と薬師信仰の霊場としての側面を併せ持つ個性ある寺院として法灯を継いできた。後に京都十二薬師霊場の第11番札所に定められ、中世・近世を通じて地域住民の篤い信仰を受け続け、現在も乙訓地域…