酒船石遺跡は奈良県高市郡明日香村岡の丘陵上に位置する飛鳥時代の石造物群である。中心となる酒船石は長さ約5.5メートルの花崗岩製で、表面に複数の溝や楕円形の窪みが刻まれている。その用途については酒や薬などの醸造施設説、庭園の水景施設説、祭祀施設説など諸説あり、現在も確定していない。7世紀中頃、斉明天皇(在位655〜661年)がこの地に「両槻宮」を造営したとされ、遺跡との関連が指摘されている。長らく地上に露出した状態で知られていた酒船石に対し、2000年(平成12年)の発掘調査によって亀形石造物および小判形石造物が新たに発見された。亀形石造物は水を導く構造を持ち、祭祀的な用途に供された施設と考えら…