橘寺は推古天皇14年(606年)、聖徳太子が勝鬘経を講じた際に蓮の花が降り注ぎ、境内に橘が生えたとの伝説を起源とし、太子の誕生地に建立されたと伝わる天台宗の寺院である。飛鳥時代には66の堂塔を擁する大寺院として栄えたとされ、太子信仰の中心地のひとつとして繁栄した。しかし中世以降、度重なる火災や戦乱によって伽藍の大半が失われ、往時の壮大な規模は姿を消した。近世には天台宗寺院として再建・整備が進められ、現在に至る堂宇が形成された。境内に残る「二面石」は飛鳥時代の石造物とされ、善悪二面を彫り分けた謎多き遺物として知られる。本尊の聖徳太子坐像は重要文化財に指定されており、飛鳥文化を今日に伝える貴重な存…